本記録は、2021年の体験を基にしたものです。
体制・手法・手順などは、変更されている可能性があります。予めご了承ください。
本年(2021年)、骨髄ドナー候補に選ばれました。しかし、血液検査の結果が基準を満たさず、残念ながらコーディネートは終了しました。ドナー適合通知を受け取った後、検査に向けた心構えをするための医学的な情報は比較的提供されているものの、具体的な手順や準備物、注意すべき点についての情報は十分に公開されておらず、不安を抱えながら慎重に進めたのが実情です。同じような不安を感じる方の参考になればと思い、適合通知からコーディネート終了までの記録を公開します。
また、骨髄ドナーに対する市町村の支援策や、ドナーが勤務する企業向けの支援策も拡充されていますので、あわせてご参考いただければ幸いです。
骨髄バンクのドナー登録方法
各都道府県の献血ルーム・血液センター、献血バス、市町村の保健所などで登録できます。
登録には約2mlの採血が必要なため、献血の際にドナー登録を申し出ることをお勧めします。
※参考:日本赤十字社:献血について(献血ルーム、献血バスの検索ができます)
骨髄ドナー適合通知以降の手順(実録)
2/1(月) 適合通知が届く(郵送)
骨髄バンクのドナー候補通知は郵送で届きます。
提供意思確認書、問診票、面談施設候補、被ばくに関する確認書類を記入し、返送します。面談施設は居住都道府県内に加え、場合によっては周辺都道府県からも選べます。コロナ禍の影響で医療機関が限られており、居住地外で面談や確認検査を行う可能性もあります。
なお、面談や確認検査の際には移動交通費が支給されます。公共交通機関の利用を前提としていますが、特急・新幹線・タクシー・自家用車を使用する場合は、事前に相談することで交通費が支給される場合があります。
2/4(木) エリア担当者からのヒアリング(電話)
骨髄バンクのエリア担当者から電話連絡があり、問診票に記載した病歴について簡単なヒアリングを受けました。
所要時間は数分程度です。
2/5(金) エリア担当者からの今後の連絡(電話)
エリア担当者から医師の確認を経て、ドナー候補として手続きを進める旨の連絡がありました。
担当コーディネーターが決定したとのことで、週明けを目途に電話連絡が来るとともに、書面での通知も届くとのことです。
※参考︰骨髄バンクコーディネーターは、養成研修の受講と認定委員会の審査を経て、日本骨髄バンクより認定・委嘱される専門職であり外部スタッフです。造血幹細胞移植を必要とする患者・ドクターと、提供を希望するドナーとの連絡調整・コーディネートを適切に行うことを目的に、ボランティアに近い委託費で活動しるようです。
2/6(土) 担当コーディネータからの連絡(電話・郵送)
知らない携帯番号からの着信があり、その後のショートメッセージでコーディネーターからの電話であることが判明しました。
土日の連絡や携帯電話からの連絡を想定していなかったため、驚きました。電話では面談病院について一方的に説明されましたが、送付した書類に基づいていないように感じたため、書面の確認後に再度連絡するよう依頼しました。ほどなく折り返しの連絡があり、面談日程を調整し、週明けに改めて連絡をいただくことになりました。
後日、担当コーディネーター決定のお知らせが郵送で届きましたが、連絡先に携帯番号は記載されていませんでした。
2/8(月) 面談・確認検査、実施場所に関する連絡(SMS)
夕方、コーディネーターからショートメッセージで、A区のB病院で2月17日(水)11:45に面談をお願いしたいとの連絡がありました。この病院は乗り換え時間や待ち時間の問題から候補から外していたはずですが、コーディネーターは私が〇印をつけていたと説明しました。別の病院での再調整も可能と言われましたが、手間を考え、そのまま日程を承諾しました。
その夜、コーディネーターからお詫びのメッセージがあり、他のドナー候補の情報を誤って使用して日程調整をしていたことが判明しました。(ここまでの対応に正直不安を感じています。)もともと乗り換え時間や待ち時間を考慮して病院を選んでいたため、再度元の候補病院での調整を依頼しました。
また「連絡はショートメッセージではなく、メールを使用してほしいこと」「着信後の折り返しではなく、可能な限りその場で電話に出てほしいこと」をお願いしましたが、コーディネーターの連絡手段は電話と文書のみで、メールは利用できないとのことです。ショートメッセージも規定外の可能性があるものの、相互に時間を気にせず確実に情報を共有できる唯一の方法として、ショートメッセージでの連絡を了承しました。
2/9(火) 面談・確認検査、日時に関する連絡(SMS)
確認検査の日時と病院も連絡を受けましたが、指定の時間だとバスの時刻が合わないため、バス到着後に面談を開始するよう依頼しました。また、以下の3点について問い合わせ、回答を得ました。
交通費の手続きについて:タクシー利用以外の領収書は不要。当日の面談で経路を申告し、交通費を受け取る。特急電車を利用するため、事前にバス~特急~バスの経路と金額を伝え、対応を準備いただきました
準備物について:免許証、保険証などの本人確認書類と印鑑を持参する。
前日・当日の注意点について:過度の飲酒と強度の運動を控える。食事制限はなし。
2/12(金) 面談・確認検査、確定の連絡(郵送)
確認検査(面談)日のお知らせが、正式な書面として郵送で届きました。
書面は2枚構成で、日時、場所、担当医師、担当コーディネーター、持参物、注意事項が記載されていました。
2/15(月) 病院での面談・問診・血液検査を実施
確認検査・面談のため病院を訪問。医師による問診・血液検査の前に、コーディネーターから説明を受けました。骨髄移植に関する確認事項だけでなく、移植患者を担当する医師の意向も説明されました。具体的には、移植手術は3~4カ月後を予定しており、医師は末梢血ではなく骨髄移植を希望しているとのことです。この説明により、入院日程や想定される病院などの全体像が把握できました。ドナー確定時期は2週間以内が目安ですが、候補者の数や再検査の有無によって前後する可能性があります。
※参考︰ドナー候補者の人数はコーディネーターに知らされません。骨髄移植患者は最大10名まで候補者を設定できますが、検査費や交通費など患者負担の費用が増えるため、通常は必要最低限の数名程度で進めることが一般的のようです。
骨髄移植か末梢血か、またどちらかを希望しないかなど、採取方法に関する意向が確認されました。ドクターが骨髄移植を希望しているため、ドナーに確定した場合は骨髄移植が行われる。末梢血を希望する場合は、今すぐまたは1週間以内に判断するよう求められました。骨髄採取は全身麻酔という大きなリスクを伴い、通院回数は多いが入院期間は短い。末梢血は全身麻酔が不要で、通院回数は少ないが入院期間が長くなる。それぞれの特徴を鑑みて、私は通院の多さを面倒に感じ、骨髄採取は不可、末梢血は可能と意思表示しました。
また、何枚かの書類に同意と捺印を行いました。本日の交通費受領に関する捺印、本日の血液検査に関する同意書、病歴などに関する告知に虚偽がないかの確認同意書に捺印しました。
その後、医師による問診があり、麻酔の経験や麻酔後の状況について問診がありました。正直、あまり覚えていなかったのですが、急性虫垂炎の手術と抜歯の際に麻酔を使用した経験を思い出しました。「具合はどうでしたか?」と尋ねられ、「(盲腸が)破裂する寸前でしたので、しんどかったです…」と答えたものの、「麻酔ではなく、病気の話ですね。麻酔によって具合が悪くなったりはありませんでしたか?」と聞き直され、「あぁ、そっちの話ですね(笑)」というやり取りがあった。麻酔の経験や、麻酔による具合の悪化について問診されることを想定しておくと良さそうです。その後、血液採取を経て終了しました。
2/23(火) 再検査の連絡(電話)
コーディネーターより、再検査の連絡がありました。ドクターから、体質性黄疸と診断されたことがあるかどうか確認したいとのことでした。
翌日届いた検査結果を見ると、総ビリルビンの値が適正値を大きく外れていることがわかりました。そういえば、20年以上前の健康診断で「総ビリルビン値」と「γ-GTP値」が高く、要再検査となったことがあり、何度か検査した結果、問題ないと診断されたことを思い出しました。最近は正常値に収まっていることが多く、すっかり忘れていました。
徹夜や2時間睡眠など生活が荒れたり、食生活が崩れると総ビリルビン値に影響が出ることがあると聞いたことがあります。思い返してみると、心当たりがあるように感じます。原因が当てはまるかは不明ですが、日常の過ごし方を見直す必要がありそうです。
※体質性黄疸とは、遺伝的な原因によって血液中のビリルビン値が上昇し、状態が悪化すると黄疸(皮膚や白目が黄色くなる症状)が現れる病気です。一般的に、体質性黄疸のほとんどはジルベール症候群と呼ばれ、人口の数%に認められる病気です。ジルベール症候群の場合、症状はほとんどなく、肝疾患でない限りは治療の必要がないとされています。
3/5(金) 再検査、日程調整の連絡(SMS)
コーディネータより、再検査の日程調整の連絡。提示された期間内で、希望日程をご連絡。
3/8(月) 再検査、確定の連絡(SMS)
再検査の日程・場所のご連絡。採血のみのため、コーディネーターの同行はありません。
3/9(火) 再検査、確定の連絡(郵送)
再検査に関して郵送の通知を受領。病院までの交通費は、同封された振込用紙へ記入・返送するよう指示あり。
3/17(水) 病院での血液検査を実施
再検査の採血。受付・採血のみのため、待ち時間も含めて10分程度で終了。交通費の振込用紙を病院のポストより投函。(振込まで、かなり時間を要するとのことですので、早めに返送することをお勧めします)
3/30(火) コーディネート終了の連絡(郵送)
コーディネート終了のお知らせを受領。血液検査結果が規定値を超えており、骨髄提供に関するコーディネートを終了するという通知。総ビリルビン値が大きく下がっていたものの、今回も規定値を超えている状況であった。
なお、ドナー登録の継続については、今後「保留」となり、1年間ドナー候補者として検索不可となりました。2回の血液検査結果が芳しくなく、ドナー候補に適さないという判断のようです。治療が終了した、健康状態が改善した(と言うより、血液検査結果が改善した場合には)保留期間解除などができるようです。
3/30(火) コーディネート終了の連絡(電話)
担当コーディネーターより、コーディネート終了の電話連絡があり、簡潔に説明いただく。ドナー登録は1年間保留なものの、総ビリルビン値は体調によっても左右されるので、今後もドナー登録を継続していただきたいとお話しいただいた。
過去、総ビリルビン値・肝臓に問題ないことを確認済みですが、時間を作り肝臓専門外来の受診を検討します。今回、骨髄移植を望んでいる方の状況は何ひとつわかりませんが、適合している候補者が、私以外にも何人かいることを祈るのみです。
4/1(木) 立て替え交通費が振込まれる
交通費の振込を確認。約2週間程度かかるようです。
交通費振込用紙は、検査前の投函でもよいとのこと。早めの投函をお勧めします。
骨髄ドナー、骨髄ドナーを雇用する事業主への支援
骨髄バンクへのドナー登録者を増やすことを目的に、骨髄または末梢血幹細胞のドナー及びドナーを雇用する事業主に対して、助成金の交付が行われています。骨髄または末梢血細胞の提供完了後、ドナー本人・ドナーを雇用する事業主が、市町村所定の手続きを行うことで助成金が交付されます。市町村によって実施状況・助成内容に大きな差があるため、日本骨髄バンクホームページや、各市町村のホームページなどをご参照ください。
参考:千代田区での、骨髄ドナー支援事業助成の詳細
対象者(2021年8月15日現在)
次のいずれにも該当するドナーおよび当該ドナーを雇用する事業主(国、地方公共団体、独立行政法人を除く)
- 骨髄バンクへのドナー登録を行い、骨髄などの提供を完了後、1年以内の方
- 骨髄などの採取に伴う通院または入院の期間において、千代田区に住所を有する方
助成金の額(2021年8月15日現在)
骨髄などの提供に伴う通院または入院の日数(上限は7日)につき、ドナーは2万円、ドナー雇用主は1万円
- 健康診断のための通院の日数
- 自己血貯血のための通院の日数
- 骨髄などの採取のための入院の日数
- その他骨髄などの提供に関し、日本骨髄バンクが必要と認める通院などの日数
助成金の額(2021年8月15日現在)
骨髄などの提供に伴う通院または入院の日数(上限は7日)につき、ドナーは2万円、ドナー雇用主は1万円
- 健康診断のための通院の日数
- 自己血貯血のための通院の日数
- 骨髄などの採取のための入院の日数
- その他骨髄などの提供に関し、日本骨髄バンクが必要と認める通院などの日数
参考:東北地区におけるドナー支援事業の実施状況
青森県内で骨髄ドナー支援事業を行っている市町村(2021年8月15日現在)
青森市、弘前市、八戸市、黒石市、五所川原市、十和田市、三沢市、むつ市、つがる市 、平川市 、平内町、外ヶ浜町、深浦町、藤崎町、大鰐町、板柳町、中泊町、野辺地町 、七戸町 、六戸町、東北町、六ヶ所村、おいらせ町、大間町、 佐井村
岩手県内で骨髄ドナー支援事業を行っている市町村(2021年8月15日現在)
金ヶ崎町
宮城県内で骨髄ドナー支援事業を行っている市町村(2021年8月15日現在)
石巻市、岩沼市、大河原町、角田市、気仙沼市、柴田町、仙台市、多賀城市、富谷市、登米市、名取市、東松島市、山元町、亘理町
山形県内で骨髄ドナー支援事業を行っている市町村(2021年8月15日現在)
朝日町、飯豊町、大石田町、大江町、大蔵村、小国町、尾花沢市、金山町、河北町、上山市、川西町、酒田市、寒河江市、鮭川村、庄内町、白鷹町、新庄市、高畠町、中山町、鶴岡市、天童市、戸沢村、長井市、南陽市、西川町、東根市、舟形町、真室川町、三川町、最上町、山辺町、遊佐町、米沢市、村山市、山形市
福島県内で骨髄ドナー支援事業を行っている市町村(2021年8月15日現在)
会津若松市、浅川町、石川町、泉崎村、いわき市、大熊町、郡山市、古殿町、鮫川村、白河市、須賀川市、棚倉町、中島村、西郷村、塙町、平田村、福島市、矢吹町
参考:骨髄・末梢血提供により給付金が支払われる保険
骨髄・末梢血細胞提供を目的とした入院に、給付金が支払われる保険商品があります。保険会社、保険商品によって内容が異なるため、加入している保険証書や、日本骨髄バンクホームページをご確認ください。
骨髄・末梢血提供により給付金が支払われる保険会社(2021年8月15日現在)
アクサ生命保険株式会社、アフラック生命保険株式会社、オリックス生命保険株式会社、ジブラルタ生命保険株式会社、住友生命保険相互会社、ソニー生命保険株式会社、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社、第一生命保険株式会社、太陽生命保険株式会社、日本生命保険相互会社、ネオファースト生命保険株式会社、富国生命保険相互会社、プルデンシャル生命保険株式会社、マニュライフ生命保険株式会社、メットライフ生命保険株式会社、ライフネット生命保険株式会社、楽天生命保険株式会社、メディケア生命保険株式会社、はなさく生命保険株式会社、ソニー損害保険株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、こくみん共済 coop、UAゼンセン共済、全トヨタ労働組合連合会
骨髄ドナー適合通知~中止の経験を経て
結果的にはコーディネートが終了しましたが、具体的な手順や準備物、注意すべき点といった情報は、今後同じ経験をする方々にとって有益であると考えました。同じような不安を抱える方々の参考になれば幸いです。
また、骨髄ドナーに対する市町村の支援策は、自治体ごとに大きく異なります。引っ越しや会社設立時の「市民・地元企業を大切にしている一つの判断基準」として参考にしていただけると幸いです。
よい会社株式会社とは
よい会社は「課題解決専門会社」です。誰もが可能性と能力を発揮しあえる社会の実現を目指しています。
プロジェクト・コーチング・企業研修などの手段を通じて、企業の「よりよい未来」実現をご支援します。
企業研修・組織コーチング・長期プロジェクトを通じて
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企業向けサービス
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