ビジネス用語

ビジネス用語:1on1(ワン・オン・ワン)

1on1が機能していない、何のために行うのかが置き去りにされているなど、1on1の悩みを良く聞きます。
一方で、1on1や時間を要する仕組みを作らずとも、必要なことを議論しあえる、常に風通しが良い組織があることも事実です。
本コラムでは、そもそも「1on1(ワン・オン・ワン)」とはどのようなものか、定義・手順・重要なポイントについて説明します。

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1on1の定義

1on1(ワン・オン・ワン)の定義

1on1(ワン・オン・ワン)は、ビジネスや組織において、2人の上司と部下、2人の同僚など、2人の人物が対話することを指します。この対話は、個別の会話や面談形式により一定の周期で行われます(必要に応じて不定期に行われることもあります)。

「常になんでも本音で言い合える組織」は、1on1が不要なほどに円滑に機能しています。しかしながら、「常になんでも本音で言い合える状態」には、何かしらの壁・障害がつきものです。その壁・障害を除去することが、1on1の目的の1つとも言えます。また、目的をもたない対話もありえますが、一般的には複数の目的を達成するために行われることが一般的です。
総じて、1on1は個々のメンバーの成長と組織の成功を支える重要なコミュニケーションの手段です。

1on1の目的・期待する成果

1on1の目的・成果

1on1はビジネスコミュニケーションにおいて不可欠な要素であり、組織やチームの成果を向上させるための重要なツールです。その目的は、組織成果や相手の成長だけでなく、多岐にわたります。相手との関係構築やチームメンバーの成長促進、業務遂行の促進や障害の除去、業務現場や顧客からのフィードバックの収集、将来的な事業戦略立案に関わる情報収集などがあります。これらの目的・成果は、状況やフェーズに応じて使い分ける必要があります。

一般的には、1on1導入時期は関係構築を中心に。関係構築が機能した段階で、メンバーが抱える問題の解決と障害の除去。その後は中長期的戦略や成長など、段階を踏まえて難易度・時間軸を調整します。何を目的に行うのかを明確にしたうえで取り組みましょう。

また、残念ながら、上司が主役となっている1on1・対話や面談が散見されています。目標の明確化と進捗管理・情報共有など、上司が求める内容になりがちな点は注意が必要です。部下を主役にした、関係構築・成長の促進、メンバーが抱える問題解の決と障害の除去など、部下を主役に進める点を再認識しましょう。

1on1の具体的手順

日頃の感謝を伝える

日頃の仕事上での感謝を、この機会に伝えるようにしましょう。日常業務でどのようなことに努力してくれたのか、どのようにチームに貢献してくれていたかなどを観察しておくことが欠かせません。また、周囲の人から仕事ぶりに関する話を聞いておくことで、より感謝が伝わりやすくなります。

「○○さんが諦めず取り組んでくれた結果の契約だったね、本当にありがとう。」
「A社の佐藤課長が、○○さんの事前準備と丁寧な仕事ぶりを褒めていたよ。」

現状を詳らかに聞く

まず、現状を具体的に聴きます。オープンな質問を使って相手に自由に話す機会を与えましょう。例えば、「最近どんなことに取り組んでいますか?」や「最近のプロジェクトや課題はどのような感じですか?」などが挙げられます。

次に、相手が話した内容に基づいてフォローアップの質問で深堀りします。例えば、相手が「最近のプロジェクトは進捗が遅れています」と言った場合、それに関連する質問として「遅れの原因は何だと思いますか?」や「どのようにして問題を解決しようとしていますか?」「どのようなサポートを必要としていますか」「本当は何が必要だと考えますか?」などが挙げられます。

相手が話し終えたら、聞いた内容を要約し、自分が理解したことを確認します。「このような内容で合っていますか?」と確認することで、相手の意図を正確に把握できます。

聞いた内容についてフィードバックする

1on1のまとめとして、客観的にフィードバックしましょう。

フィードバックは、目的を明確にしたうえで伝えます。改善の指摘・良い点の強調・成長のアドバイスなど、そもそも「今回の1on1の目的がどのようなものか」を踏まえたうえで、相手のために行います。自分都合のフィードバックにならないよう、注意しましょう。
フィードバックを受け取る側が具体的な行動を変えることができるように、事実を基にした行動に焦点を当てます。何がうまくいかなかったのか、あるいは何が良かったのかを具体的に示します。そのフィードバックは建設的で、相手を成長させるためのものであることを心がけます。否定的なフィードバックが必要な場面においては、それが成長の機会として捉えられるように工夫します。

また、フィードバックは双方向であることを大切にしましょう。一方的に伝えるだけでなく、相手がどう受け取っているのか耳を傾けましょう。「この内容について、どのように考えますか?」「これらを踏まえて、どのような取り組みが必要ですか?」など、相手が意見や反応を話すことができるようにし対話を促進しましょう。

内容についてふり返りを行う

話した内容や次回の行動などを、ふり返って確認します。双方が何を取り組むのか期限を明確にし、進捗を確認する日程や手段を決定します。
また、次回の1on1の予定を確認し、日時や場所を調整します。両者のスケジュールが合うように最適な時期を見つけましょう。

最後に、感謝を伝える・相手に励ましの言葉を伝える・次回の1on1を楽しみにしていることを示すなど、1on1を笑顔でポジティブで終えるように配慮しましょう。

1on1における関わり方

1on1における上司の役割は非常に重要です。「常になんでも本音で言い合える組織」は、1on1が不要なほどに円滑に機能しています。常になんでも言い合えるには、話を聞くことに徹すること・相手の話を受け止めることが重要です。なぜなら、相手の意見や感情を尊重し、オープンな対話を促進することが、1on1の目的の一つだからです。

対話においては、話す割合が2割、聞くが8割が理想と言われます。相手の話を聞く、質問して理解を深めたうえで、相手が本音で話をできるような状況を「中長期で」醸成していく必要があります。常に、相手の気持ちに寄り添って取り組んでいきましょう。

また、質問する際には「なぜ」という質問を多用しないように注意が必要です。「なぜ」という質問を多用すると、相手が詰められているような印象を受けてしまうことがあります。質問を使う場合には、相手の意見を尊重し、オープンな対話を促に向けた工夫が必要です。

最後に、人として信頼感を損ねるような行動は控えましょう。相手の意見や感情を重要視する、機密情報や個人情報に配慮する、無関心かつ失礼な態度を取らない、時間や約束を確実に守る、個人攻撃・一方的な非難・他者の悪口などを言わないなど、この人となら安心して話すことができるという環境を醸成しましょう。

1on1における効果検証

1on1はやりっぱなしにせず、効果的に機能しているか効果検証が欠かせません。1on1を通じて解決した課題や達成した目標、部下の成長やモチベーションの変化などを観察し、それらが組織やチームの成果にどのように影響を与えたかを評価します。また、1on1のプロセス自体も改善を重ね、より効果的なコミュニケーションを実現するための取り組みが必要です。

参考情報

話の理解を深める

部下のやる気を引き出す言葉・タイプ別3選

まとめ

「1on1(ワン・オン・ワン)」は、ビジネスや組織において重要なコミュニケーション手段です。業務がより円滑に機能するために、目的を明確にしたうえで取り組みます。あなたの組織・あなたのチームの現状を踏まえたうえで、どのように活用すべきか再考したうえで取り組みましょう。

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