仕事のコツ

仕事のコツ:先延ばし癖を乗り越える

仕事において、先延ばししたくなる心理状態になってしまうことがありませんか。一方で、その先延ばしの判断によって、後々トラブルが起こる・時間と信頼を失う、心理的に不安に陥るといった状態が起きてしまった経験もあるのではないでしょうか。
わかっているのに起きてしまう「先延ばし」について、土日や大型連休期間を使って向き合ったうえで、何らかの解決方法によって将来のトラブルやリスクを減らす機会に活用していただければ嬉しいです。

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先延ばしの背景にはさまざまな要因がありますが、タスクが複雑な場合・困難である場合に、脳はそれを回避しようと働くことにより「先延ばし」が起こります。また、タスクがつまらないと感じる・不安を引き起こす場合にも、先延ばしが起こりがちです。この先延ばしにより放置されたタスクが、徐々に重要度が増す・緊急性が増すことなどにより、不安や焦燥感といったストレスに直結すると考えられています。

先延ばしには、これら背景に加えて、個人毎の傾向や特性も起因します。人が判断や行動する基準は、これまでの成功体験・失敗体験の積み重ねから学習したものです。言い換えるならば、これからの経験によって、今後の判断・行動が形作られるため、判断・行動を変えて新たな結果を積み重ねることで解決することができます。まずは、あなた自身が「どのような心理状態で先延ばしをしているのか」を理解することに着手しましょう。

先延ばしをする理由

複雑や不確実性を避けたい

タスクが複雑であったり、不確実性が高い場合、私たちの脳はそれに対処するのが難しいと感じます。そのため、タスクを先延ばしにしてしまうことで、負荷・不安・不確実性から逃れようとする傾向があります。

快楽主義・楽観主義によるもの

人間の脳は、快楽を感じることを好みます。一時的な快楽を優先して、先延ばしをする傾向があります。楽しいことや気晴らしを優先して、重要な仕事や課題を後回しにしてしまう…あなたにもそのような経験があるのではないでしょうか。このような場合、長期的な目標達成よりも「短期的な快楽が魅力的に映る」ことにより、先延ばしの習慣が生まれます。

また、将来的に問題が解決されるだろうという楽観主義が、先延ばしの要因となることがあります。時間がある・後で挽回できる・どうせ何とかなる…このように楽観的にタスクを過小評価してしまった結果、重要なタスクを後回しにしてトラブルに陥ることがあります。

自己効力感と完璧主義によるもの

タスクを達成できる自信がない場合は、課題に取り組むことを避けたり、挑戦的な目標を達成することをためらう傾向があります。このような場合、課題に対する不安や恐れが先延ばしの原因となります。また、自己効力感が低い人においては、挑戦的な課題に取り組むことを避け、簡単・無難なタスクに逃げることがあります。

また、完璧主義な方においては、自分が大切にしている基準や成果を満たすことができそうにない場合に、行動を先延ばしにすることがあります。なぜなら、不完全な結果を出すことを恐れる・失敗や批判を受けることを避けるために、行動を起こすことを避けるからです。特に、完璧な計画や準備を整えることに余裕がない場合においては、作業に取り掛かるのを先延ばしにしがちです。

これまでの習慣によるもの

過去に繰り返してきた場行動が習慣化され、先延ばしのパターンが強化されることがあります。先延ばしや遅延行動が繰り返されると、その行動が当たり前のようになり、先延ばしのサイクルに入りやすくなります。場合により、遅れて当たり前という、最悪の状態に行きつきます。

これらの要因が組み合わさり、先延ばしの癖が生まれます。しかし、このような行動パターンは変えることができます。自己認識や行動パターンの改善を通じて、先延ばしの習慣を克服することが可能です。

あなたが先延ばしする心理状態

お伝えしたように、先延ばしの要因は様々です。しかしながら、「あなたが先延ばしする際の心理状態」を知っておくことができれば、何かしらの対策が可能なはずです。ここでは、心理状態を把握する2つの方法をご紹介します。

行動と気持ちを言葉にする

先延ばしのパターンを自分自身で観察し、どのような状況やタイミングで先延ばしをするのかを注意深く観察します。どのような要因が先延ばしを引き起こしているかどうかを理解するために、自分の行動を記録することが役立ちます。また、1ヶ月以内に先延ばししている場面・作業が手につかない場面を想像して、その時の気持ち・脳裏に浮かぶ言葉を紙に書き出してみましょう。

心理状態を可視化して整理する

判断や行動をする際に、それによって得られる短期的および長期的な「快やメリット」「不快やデメリット」が存在します。
即行動する人は、その行動から得られる長期的な「快やメリット」を得ること、長期的な「不快やデメリット」を避けることを目指して行動します。一方、先延ばしする人は、行動によって得られる一時的な「快やメリット」を得ること、一時的な「不快やデメリット」を避けるために行動を先延ばしにします。

あなたは、どのような快を得ようとしているのか、どのような不快を避けようとしているのかを、自身の心理状態を知っておくことが必要です。ここでは、ワークシートをご紹介します。「具体的な、先送りをしてしまった場面」「具体的な、先送りの壁にぶつかっている場面」を分析する目的に設定したうえで、縦軸に達成した状態・未達成の状態、横軸に快楽と不快。このマトリックス上に、自身の快・不快を書き出します。10分・20分だけ時間を作り、何が行動を妨げているのか明確化しましょう。

メリット(快・喜び・貢献)においては、達成した状態がとても魅力的であり、モチベーション向上につながりそうなこと
デメリット(不快・苦痛・失墜)においては、未達成の状態がどうしても避けたい状態であり、早急に取り組む必要があると感じること
着手しないことによる、長期的なメリットが想像できない・何も見当たらないこと
提案書を作るうえでの「分析・整理」と、当て馬の提案にならない「採用されるための工夫」という抱える障害をクリアすれば、提案書作成に着手できそうであること

この例では、このような内容が明確化されました。
このように、自己分析を通じたメリット・デメリットを把握することで、抱える障害や自身の傾向を理解することができます。あなたが先延ばしする内容は、どのような障害・メリット・デメリットが隠れているのか、時間を設けて自己分析してみましょう。

先延ばし克服の対処法

1分ルール

どの成功者も、口を揃えて「結果につながる方法」と話しているのが「1分間だけ実行する・1分間ルール」という方法です。僅かな時間「1分だけ着手する」ことは、抵抗感なく作業に着手しやすくなり、しばしばその勢いで作業を続けることにつながります。着手した結果、徐々に手が進む。集中力が増してアドレナリンが分泌する。その結果、仕事が前に進み、作業完了に近づくことにつながります。
省エネモードから、戦闘モードに移行する最短ルートこそ「とりあえず、1分間実行する」ことです。迷った際は、この1分ルールから取り組んでみましょう。

また、この1分ルールは、行動を起こすためのハードルを低くすることで、先延ばしの傾向を克服することにつながります。腕立て伏せができなくとも、1分で床に腕をつくことならできるはず。腕立て伏せの位置に移動することならできるはず。このように、ハードルを低くして取り組むことで、腕立て伏せに取り組む可能性がぐっと高まります。

作業環境を整える

作業環境が整っているだけで、作業に取り掛かりやすくなります。整理されたデスクや静かな場所で作業を行うことで、集中力を高め、先延ばしを防止することができます。一方で、片付けや整理整頓に没頭してしまうことはナンセンスです。本来取り組むべきは、やるべき作業に注力することです。片付けや整理整頓する際には、10分・15分など時間を決めて、アラームを設定したうえで取り組みましょう。
また、不要なものを片付けることに加えて、ネットを制限する・スマホを遠ざける・アラームでリマインドを促すなど、成功者が取り組んでいる工夫を取り込みましょう。

紙に書き出して整理する

紙に書き出すことで、やるべきタスクが明らかになります。頭の中でぐるぐると考えるよりも、紙に書きタスクが可視化されることにより、何をすべきかが明確になります。その結果、目標やタスクの優先順位を決めることができ、作業完了まで効率的に作業を進めることができます。
また、タスクを紙に書き出し、それを一つずつ消化していくことで、達成感を感じることができます。これは、先延ばしの習慣を断ち切る上で非常に重要です。

締め切り・開始日を決める

タスクに明確な締め切りを設定し、その期限に向けて進捗を追うようにします。締め切りは、言い換えると「自分と約束する・自分とコミットする」ことです。約束・コミットにより、タスクを先延ばしにせずに取り組む動機づけが生まれます。また、締め切りだけではなく、開始日を決める・具体的な取り組む日時を予定表に入れる・スケジューリングすることも大切です。開始と締め切り両方を決めることで、その間の作業計画がイメージしやすくなります。

周囲のサポートを得る

上司・先輩・友人・家族などにタスクを共有することも有効です。同僚や上司とタスクを共有することで、仕事に対する責任感や完了させようという意識向上につながります。共有だけにとどまらず、第3者にタスクを着手や完了を宣言・約束することで、コミットする力もぐっと上がります。また、周囲のサポートを得ることも欠かせません。仕事はチームによる協働が前提です。タスクが進まない・立ちいかなくなった際に、周囲やチームの助けをもらうことにより、障害を乗り越えることやトラブル回避につながります。

具体的な対処法をいくつか紹介しましたが、最終的には習慣化が欠かせません。日々どのようなタスクを抱えているのか、何を優先して取り組むのか、1日を終えて何が終わり何を積み残しているのかふり返ることが欠かせません。1日の終わり、1日のはじまり、1日の折り返しについて工夫することも大切にしましょう。

参考情報

タスク整理とメンタル整理

朝と夜のG-PDCAルーティーン

まとめ

先延ばしは誰にでも起こりうる問題ですが、自身がどのような心理状態なのか・どのような対処法があるのかを知っておくことで、効果的に克服することができます。自己分析で先延ばしの要因や背景を知ることに加え、1分ルールや習慣化により成果・結果が大きく変わります。成果を発揮し続けるビジネスパーソンとして、今抱える先延ばしを1つ克服することから、成功への道を切り拓きましょう。

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