ビジネス用語

ビジネス用語:目的・目標・手段

上司として、目的や目標を明確に説明できず、気まずい思いをした経験はありませんか? また、「目的と目標の違いは何ですか?」と今更聞きにくいこともあるでしょう。日常的に使う言葉だからこそ、その本質をしっかりと理解しておくことが重要です。本日は、目的と目標、そして手段について、改めて定義します。

定義

目的の定義

目的の定義

目的とは、最終的に目指す到達点や、実現したい結果を指し、進むべき方向性を示すものです。これは、変わりにくい、長期的で抽象的な指針であり、企業でいえば「経営理念」「ビジョン」「パーパス」がこれにあたります。

目的は、企業活動全体を通じて変化しにくいものであり、詳細が曖昧でも、その方向性は明確です。まお、ビジョンとは「現状から飛躍した魅力的な未来像」を意味し、目的も同様に、理想像やありたい姿として表現されます。

ビジョンとは、「現状から飛躍しているが、実現を信じることができる(魅力的な)未来像」である

佐々直彦著:プロデュース能力より引用 ※「魅力的な」部分は小岩が加筆したものです。

手段の定義

手段の定義

手段とは、目的を達成するための具体的な行動や方法を指します。

企業の場合、目的(経営理念やビジョン)を実現するために、事業や戦略、解決策といった手段を駆使します。また、日々行う仕事や業務そのものも、目的を達成するための手段の一部です。

ただし、「手段が目的化する」という問題もよく見られます。例えば、結婚式のためにダイエットをするという本来の目的が置き去りにされ、ダイエットそのものが目的化してしまう場合です。このような状況では、他の重要な要素(姿勢、健康、親子関係の良好な維持など)が軽視されてしまうリスクがあります。

同様のことが企業でも起こります。例えば、トイレの清掃チェック表において、記入すること自体が目的となり、本来のお客様に快適な環境を提供するという「目的」が忘れられてしまうことです。このような例は、業務の現場でもよく見受けられるものです。

目標の定義

目標の定義

目標は、目的に向かうための具体的な中間点であり、短期的・中期的に設定される到達点です。目標には、達成すべき明確な基準があり、期間や数値によって具体化されます。

ビジネスにおいては、主に「達成目標(到達目標)」と「行動目標(実行目標)」の2つが存在します。

達成目標とは、期間内に達成すべき具体的な成果(例:売上やコスト削減)を示します。一方で、行動目標は、その達成のために必要な具体的な行動(例:1日6本のアポイント電話を入れる)を指します。

ビジネスにおける目標は、達成目標を実現するために、行動目標を設定することが一般的です。例えば、週5回の面談を行うためには、30件のアポイント電話が必要であると仮定します。その場合、1日6本の電話をかけることで、週の目標を達成できる計算になります。このように、目標は逆算して設定され、行動に落とし込まれます。

上司やマネジメント層は、部下の目標達成を促進するために、行動目標の進捗を日々確認し、必要に応じて行動を妨げる障害を取り除く役割を担います。これにより、目標達成に向けた進行をサポートし、メンバーの成果を最大化することができます。

課題解決研修のスライド

企業においての現状と取り組み

戦略なき目標

達成目標だけを設定し、実現するための戦略を考えていないケースが見られます。また、戦略を考えたものの、行動目標に落とし込まずに成果が出ない。あるいは、行動目標の進捗管理をしないまま、成果につながらないといったことが多く見受けられます。
一方で、目標設定するために、何枚もの書類を作成する・残業して取り組むといったことは、ナンセンスかもしれません。ポイントを絞って目標設定と計画策定を行い、本来成果を発揮すべき業務に注力することがビジネスでは欠かせません。

弊社の取り組み

弊社研修・プロジェクトにおいては、「社員がアイディア・戦略を発想する」「社員が実現したいと想う」という点を大切にしています。「やらなきゃ」ではなく「やりたい」であり、まさに行動したくなる点がポイントだと感じています。
課題解決研修のページで、現状、目的・理想像、問題、戦略といった、企業活動・事業活動の全体像をご紹介しています。必要があれば、ご参考いただけますと幸いです。

参考情報

目的・目標

現実を変える2つの方法

ありたい姿・理想像を描く3つのポイント

目標達成を実現する、目標設定3つのポイント

まとめ

目的・目標・手段の違いを正しく理解し、それぞれを適切に活用することで、組織は長期的なビジョンを実現しやすくなります。特に、目的を見失わないようにすること、そして手段や目標を効果的に設定することが、成功の鍵です。

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