ビジネスの悩み

ビジネスの悩み:「どうすればいいですか?」部下の質問に対する答え方

A社から納期を早めろと言われてるのですが、どうしましょう?

B社から5%値引きしてほしいと言われました。どうすればいいですか?

それはね…

デスクに座る暇もなく、ひっきりなしに飛んでくる部下からの相談。それら一つひとつに丁寧に答え、的確な指示を出す。たしかに一見すると、それは理想的な「頼れるリーダー・マネージャー」の姿に見えるかもしれません。しかし、ここに組織を根腐れさせる最大の罠が潜んでいます。

なぜなら、あなたが答えを出せば出すほど、チームは自律性を失い弱くなっていくからです。その衝撃的な真実と、脱出策についてお話しします。

「答え」を教えるのは、マネジメントではない

多くのリーダー・マネージャーが勘違いしがちですが、マネジメントの本質は「現場のトラブルを肩代わりすること」でも「部下の代わりに決定すること」でもありません。

本来のマネジメントとは、「現場の混乱から成果の急所を見つけ、誰でも勝てる仕組みを作ること」を指します。

具体的には、このようなリーダー・マネージャーの頭の中にある「目に見えない感覚」を、チームの「目に見える基準や方策」へ変換できているかどうかが問われます。以下の表で、あなたの今の状態をチェックしてみてください。

もしこれができていないと、チームの成長速度は「リーダー・マネージャーであるあなたの処理能力」を超えることができません。つまり、リーダー・マネージャーの能力がそのまま「チームの天井」になり、組織の可能性を押し潰してしまうのです。

「良かれと思って出す指示」が、部下の思考を奪う

さらに深刻なのは、リーダー・マネージャーがその場で正解を与え続けると、組織に「負のループ」が定着してしまうことです。

「自分で考えるより、聞いたほうが早いし、間違いもない。何より、指示通りに動けば責任を取らなくて済むから楽だ。」

このように依存関係が定着すると、部下は思考を止め、現場に知恵が蓄積されなくなります。その結果、仕事は特定の人に縛り付けられたままになり、リーダー・マネージャーはいつまでも現場の火消しに追われ、本来やるべき「未来の戦略」を練る時間が奪われます。
結局のところ、変化の激しい市場においてライバルに先を越され、ただ弱体化を待つだけの集団へと成り下がってしまうのです。

「あなたはどう考えているの?」と問い直す

そこで、この負のループを断ち切るために、今日から取り入れてほしいアクションがあります。部下から「どうしましょう?」と聞かれたとき、すぐに答えを出すのをグッと堪え、まずはこう問いかけてみてください。

B社から5%値引きしてほしいと言われました。どうすればいいですか?

で、あなたは、どのように考えているの?

この一言には、二つの重要な意味があります。

部下の「思考のクセ」を把握する: 部下がどこまで情報を整理し、どの基準で迷っているのかを可視化します。
自分の「判断基準」とのズレを特定する: もしあなたの出した結論と部下の考えが違うなら、それは部下の能力不足ではなく、「判断するためのルール(物差し)」が共有されていない証拠です。

答えを教えるのではなく、考え方を確認する。このプロセスを経て初めて、部下の脳は動き出し、現場を仕組み化するための土台が整います。

個人の特性に委ねず「構造」を見直す

「うちの部下は主体性がない」と嘆くリーダー・マネージャーは多いですが、それは性格の問題ではなく、多くの場合「構造」の問題です。

したがって、打開策は育成の定義をアップデートすること。育成とは、相手の性格を叩き直すことではなく、「リーダー・マネージャーの判断基準を仕組みとして共有し、更新し続けること」です。

個人の根性や努力という不確かなものに頼るのではなく、「構造の強さ」で成果を出す。目指すべきは、全員がリーダー・マネージャーと同じ「物差し」を持ち、迷いなく動ける土台作りです。これこそが、リーダー・マネージャー不在でも勝てるチームの条件なのです。

マネジメント業務に注力するためのアクション

リーダー・マネージャーであるあなたが現場のオペレーションから一歩引き、本来の仕事である「計画づくり」に集中するために、明日からこの3ステップを実践してください。

今日一日のやり取りを振り返り、何度も繰り返される相談を一つピックアップしてください。
(例:納期調整、値引き交渉、クレームの初期対応など)

相談に来た部下に「君はどう思う?」と聞き、自分の考えとの差分を確認します。その上で、「次からはこう判断して」とルールを言語化します。可能であれば、部下を中心に「ルール」や「基準」を、マニュアル化してもらうような関わりができると、新人の育成や引き継ぎ作業の簡素化などにつながるでしょう。

B社から5%値引きしてほしいと言われました。どうすればいいですか?

で、あなたは、どのように考えているの?

B社は大事な取引先であり、今回限定で受けた方がよいかと。

今後、値引きの相談がきたらこう判断して。『①年間1,000万円以上の取引があり、②かつ半年以内に次の発注予定がある』なら、5%までは自分の判断で進めていいよ。それ以外は断るか、僕に相談してほしい。

一度ルールを渡したら、細かいプロセスには口を出さず、結果の「報告」だけを受ける形に変えます。

現場のミスが起きたら、部下を責めるのではなく「ルールの不備」と捉えて仕組みを直してください。この積み重ねが、あなたを現場から解放し、チームを常勝集団へと変えていくのです。

このような積み重ねにより、部下の行動が促進し、マネジメントとして「将来に向けた戦略や計画策定」や「組織の環境整備」を推し進める「本来業務に取り組む時間」が捻出されます。

まとめ:リーダー・マネージャーが「一歩引く」ことで、チームは強くなる

マネジメントの究極の仕事は、「自分がいなくても回る組織」を作ることです。

もちろん、現場でミスが起きたとき、人を責めるのは簡単です。しかし、それでは根本的な解決にはなりません。真のリーダー・マネージャーはミスを「ルールの不備」と捉え、冷静に仕組みを直します。

この「一歩引く決断」こそが、チームが勝ち続けるための唯一の鍵となります。 今日、部下から受けるその「相談」を、仕組みを変えるチャンスに変えていきましょう。あなたが現場から解放されたとき、チームの本当の快進撃が始まります。

参考情報

ありたい姿・目標設定のポイント

よい会社株式会社とは

よい会社は「課題解決専門会社」です。誰もが可能性と能力を発揮しあえる社会の実現を目指しています。
プロジェクト・コーチング・企業研修などの手段を通じて、企業の「よりよい未来」実現をご支援します。

企業研修・組織コーチング・長期プロジェクトを通じて
貴社・顧客・市場・社会の「より良い未来」を創り上げる

これが弊社の事業目的です

企業向けサービス

貴社・顧客・市場をよりよくする手段を提供しています

企業・団体向け
研修・プロジェクト

スキル学習と体験ワークで、思考・行動が変わることでビジネス成果を目指します。

営業分野、マネジメント分野、課題解決を中心としたスキルを習得し、日常業務の成果を高めるための研修です。ビジネスの原理原則を体験型ワーク・グループディスカッションで学習し、参画メンバーのスキル習得・社員成長、更には業務成果の拡大を実現します。

商工会議所・法人会
団体向けセミナー

経営者に向けた、現状抱える課題の解決策・解決に向けた事例提供を行います。

昨今の課題である原価高騰に伴う利益額向上や、営業力・課題解決力・リーダーシップなど、企業価値・企業の売上利益を最大化させる『根本・本質・ボトルネック』を、最短ルートで解決に近づけるポイントを中心に、社内展開できる内容を扱います。

企業・団体向け
コーチング

認識共有・解決策模索など、組織単位の行動が変わることで目標達成を目指します。

組織・メンバーの「目標・理想像の実現」「困りごとの解決」を支援するサービスです。対話によって自発的行動を促し、目標達成・課題解決を継続的に支援するプロセスを、是非ご体感ください。無料体験より、お気軽にお申込みください。

企業・団体向け
実働支援

スピード感をもって事業を推し進めるために、重要な業務を受け持ちます。

経営者・管理職層が、経営・事業に専念できるように、業務負担をあらゆる角度から軽減します。経営に注力するために、重要度の高い中長期的戦略、管理職や社員の支援などを含めて、経営層のパートナーとして実業務を推し進めます。

個人向けサービス

社会で活躍する個人に向けた手段を提供しています

公開セミナー

スキル学習と体験ワークで、思考・行動が変わることでビジネス成果を目指します。

目標達成、課題解決、営業やマネジメントなど、成果を発揮したい経営者・個人事業主・学生やアスリートを対象に実施。考え方や判断基準・進むべきビジョン・目的・目標、実現に向けた行動といった「学校や会社では教わらない」原理原則を扱います。

個人コーチング

個人成果を発揮し続けたい方向けの、理想の未来を実現するためのコーチングです。

個人の「目標・理想像の実現」「困りごとの解決」を支援するサービスです。対話によって自発的行動を促し、目標達成・課題解決を継続的に支援するプロセスを、是非ご体感ください。無料体験をご用意していますので、お気軽にお申込みください。

コミュニケーションカード

目に見えないコミュニケーションを、可視化して共有できる学習ツールです。

自分らしさを知る、自分と他人の違いを知る、これらをコミュニケーションに活用することで、自分らしさの発揮を目指します。将来的に有料サービスが提供できるような、ステップアップの機会を設けています。一緒に学習しましょう。

-ビジネスの悩み