ビジネス用語

ビジネス用語:業務・役割

管理職の役割とは何か?この問いに対して、業務内容は理解できても「役割」が何を指すのかが明確でないことが、私自身の経験としてもありました。特に、誰も明確に教えてくれなかったという感覚を抱いていました。おそらく、あなたも同じような疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。今日は、業務と役割の違いを定義し、その重要性を見直していきます。

業務・役割の定義

業務の定義

業務の定義

業務とは、企業の目標達成のために行う一連の活動を指します。これは顧客や社会の問題を解決し、理想像を実現するためのプロセスです。具体的には、日常的な作業やプロジェクトベースのタスクなどを指します。

業務が明確に定義されることは、従業員が責任範囲を理解し、目標に向かって効率よく働ける基盤を作ります。効率的な業務の遂行は、組織全体のパフォーマンス向上に直結します。

また、業務は個人だけでなく、チームや他部署と分担して行うものでもあります。したがって、業務の定義が曖昧な場合、役割分担がうまくいかず、組織全体の成果に影響が出ることがあります。効率的な働き方を支えるためには、業務の正確な定義が欠かせません。

役割の定義

役割の定義

役割は、業務遂行において個々のメンバーが果たすべき責任・使命・期待を指します。組織内で効果的に業務を進めるためには、各メンバーに適切な役割が与えられる必要があります。役割を明確にすることで、従業員は自分が果たすべき成果や影響を理解し、組織目標への貢献度を高めることができます。

役割には、地位や職務に基づくもの、スキルや経験によるもの、そして個人が持つ強みに応じたものがあります。これにより、組織全体の協調性が高まり、業務の一貫性が保たれます。組織が期待する役割を明確に把握することが、メンバー一人ひとりの価値を引き出す鍵となります。

役割の一例

例:地位や役職に応じた役割

マネジメント
マネジメントは、組織やチームの目標達成を支えるために、リソースを効果的に活用し、計画、指導、調整、評価を行う役割です。リーダーシップを発揮し、チームメンバーのパフォーマンスを最大化するために、明確な目標設定や業務進行の管理、メンバー間のコミュニケーション促進を行います。問題解決や意思決定も重要な要素で、組織全体の効率化に寄与します。

旗振り役
チーム全体の目標を明確にし、それに向かってチームメンバーを鼓舞する役割であり、一般的にマネジメント・リーダー層が取り組みものです。具体的には、定期的に進捗を確認し、チームに向けて目標の重要性を再認識させたり、節目ごとに成功や改善点を共有する。目標に対する一貫したメッセージを発信し、チーム全員が同じ方向に向かうよう導く役割を果たします。

相談役
相談役は、メンバーが抱える業務やキャリアに関する悩みや問題に対して、助言や解決策を提供する役割です。一般的に上司・先輩など、経験を重ねた方が行うものです。チーム内外で信頼される存在として、専門知識や経験を活かし、適切な方向へ導きます。問題解決だけでなく、メンバーの成長やモチベーション向上にも寄与します。相談役がいることで、安心して相談できる環境が整い、チーム全体のパフォーマンス向上にも繋がります。

リーダーサポート
リーダーサポートは、リーダーの業務負担を軽減し、業務が円滑に進むよう調整する役割です。具体的には、タスクの優先順位整理やリーダーとの情報共有、チーム間のコミュニケーションを調整し、リーダーが全体戦略に集中できる環境を整えます。また、リーダーが不在の場合に関して、リーダーの代わりとして機能する場合があります。

トレーナー/教育担当
トレーナー/教育担当は、新入社員や異動者に対して業務の進め方やスキルを教え、即戦力化をサポートする役割です。研修プログラムの設計や日々の指導を通じて、個々の成長を促進します。また、組織の変化に応じた新しいスキルを導入し、継続的にチームのパフォーマンス向上を目指します。

シニアスタッフ
シニアスタッフは、豊富な経験をもとにチームの指導役として、問題解決や意思決定をサポートします。技術的なアドバイスや業務の効率化に寄与し、メンバーの成長を促すメンター役も果たします。彼らの経験が、チームの安定性と長期的な成功に繋がります。

例:個人の強みや能力に応じた役割

技術スペシャリスト
特定の技術やスキルに優れたメンバーが、チーム内の技術的な課題解決やサポートを行う役割。例えば、ITツールの導入や技術的なトラブルシューティングなど、他のメンバーが対応できない高度な技術問題を担当する。技術スペシャリストがいることで、チームはスムーズに業務を進めることができ、プロジェクトのクオリティに貢献します。

チームの下支え役
表には出にくいが、チームの基盤をしっかり支える役割を担うメンバー。例えば、資料の整理やデータの管理、タスクの調整など、チームが円滑に業務を進めるための裏方として貢献する。コツコツ準備する、リスクを想定する、周囲の輪を取り持つといった強みは、下支えする力でチーム全体の効率を高め、他のメンバーが自分の専門に集中できる環境を提供します。

切り込み役
新しいチャレンジや未開拓の分野に果敢に挑む役割。特に、難しいクライアントやプロジェクトの初期段階で、先陣を切って交渉や提案を行う。率先垂範的やチャレンジの強みは、失敗を恐れずに挑戦し、チームに新しい可能性を広めます。リスクを伴うタスクにも積極的に取り組む姿勢が、チームの成功のきっかけを作ります。

例:チームの作業環境を円滑にする役割

チームのムードメーカー
チーム内の雰囲気を和やかにし、メンバー間の良好な関係を維持する役割。特に、プロジェクトが停滞したり、メンバーがストレスを感じているときに積極的に声をかけ、モチベーションを高める。ムードメーカーがいることで、緊張感や不和が和らぎ、全員が前向きな気持ちで業務に取り組む環境が整う。

会議ファシリテーター
会議の進行を担当し、目的に沿った議論がスムーズに行われるようにサポートする役割。具体的には、会議の議題を整理し、参加者全員が意見を述べやすい雰囲気を作り、時間管理を徹底する。会議ファシリテーターがいることで、無駄な時間を削減し、効果的な意思決定が行える場を提供する。

他部署との根回し役
プロジェクトや業務の進行において、他部署との連携が必要な場合に事前調整を行い、合意形成をサポートする役割。例えば、プロジェクトの初期段階で他部署の協力を得るために事前に会話を持ち、スムーズな協力体制を築く。他部署との根回し役がいることで、組織全体の動きが調和し、無駄なトラブルや誤解を未然に防ぐことができる。

例:管理職が中心となり、チーム全員で取り組む観点

マネジメント基礎研修のスライド 管理職が取り組む4つの観点

など、あなたの周りでは、どのような役割が求められているでしょうか。

参考:業務と役割の比重

一般的に、役職が上がるにつれて「業務」よりも「役割」の比重が高まる傾向があります。一般職では業務に重点が置かれる一方で、管理職に進むほど役割が重要視されます。組織全体で期待される役割を理解し、それを適切に遂行することが、管理職の最も重要な仕事の一つです。

管理職研修テキスト 業務と役割
管理職研修テキスト 業務と役割

組織での役割の現状と取り組み

従来、企業ではマネジメントの一部(目標管理や人員管理など)に重きが置かれ、役割の定義が不十分なまま進められてきたことが多いです。その結果、役割が曖昧になり、チーム成果の低下を招く場面が多々見られます。昨今では、権限移譲を行いながら、役割の比重を高める企業と、プレイングマネージャーとして業務と役割の両立を求める企業との二極化が進んでいます。

私たちの取り組みとしては、「役割を4つのカテゴリーに基づき明確化し、関係者と認識をすり合わせる」ことがポイントです。これにより、組織全体の方向性が揃い、一体感が生まれます。組織の成功には、業務だけでなく、役割を明確にし、協力して取り組む姿勢が不可欠です。。

参考情報

業務・役割

上司・リーダー・管理職の役割

マネジメントとリーダーシップ

マネジメント力・リーダーシップ力 向上研修

まとめ

これらは、あくまでも一例です。
相手に伝わりやすいように相談する、短い時間で共通認識を取るには、正解・不正解はありません。ビジネス成果を高めるために、自身が仕事を円滑に進めるために、工夫し続けていただけたら嬉しいです。

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